楽音堂のジャズ&古本日記

ジャズ名盤、レア盤、古本などを「メルカリ」で販売してます。

市井の作家、木山捷平の世界。

木山 捷平(1904年3月26日 - 1968年8月23日)は、私小説的な短編小説やエッセイを得意とした。作家として目立たない存在であるが、庶民性に徹した飄逸と洒脱な表現で没後も根強い愛読者を持つ。古書界では、今でも人気があり、特に旺文社文庫は、現在かなり…

リアル・ディール/ デイヴィッド・マレイ/ミルフォード・グレイヴス

孤高のドラマー、ミルフォードとパワフル・テナー、マレイの気合溢れる真剣勝負。ミルフォード・グレイヴスとマレイのデュオという企画自体がすばらしいが、グレイヴスという大先達の存在感、迫力、方法論その他もろもろがマレイから最高の緊張感を引きだし…

幻のジャズピアニス/Lowell Davidson

オーネット・コールマンの紹介によりデビューしたピアニスト。ノー・オーディションで作品を吹き込ませるESPも凄いが、それに相対すデヴィッドソンはもっと凄い。ゲイリー・ピーコック、ミルフォード・グレイヴスとのトリオで放たれる音は力強くも美しく色褪…

初台にあった伝説のジャズハウス・騒(GAYA)

騒があった場所は、自転車で新宿に行くときよく通る。オペラシティの手前だ。晩年の阿部薫が命を削って演奏した場所。仕事帰りで夜遅い時などは、夜空から阿部薫のアルトやハーモニカの音が聴こえてきそうだ。 オーナーの騒恵美子さんは、20代後半に長野県伊…

阿部薫/暗い日曜日

1971年の東北ツアーは、阿部薫の異彩に着目した故・小野好恵(後に「ユリイカ」「カイエ」編集長)により企画・制作・録音されたもの。阿部薫は高柳昌行との共同作業を終えた頃で、傑作として名高い『彗星パルティータ』が録音された73年の直前の過渡期とい…

マイルス・デイビス/ブラック・ビューティー

1970年6月17日~20日にロックの殿堂「フィルモア・イースト」で連続4日間行われた伝説のライヴ音源の公式盤である。 ■パーソネル Steve Grossman – tenor and soprano sax, flute Chick Corea – Fender Rhodes electric piano Keith Jarrett – Fender Contem…

マイルス・デイビス/ダーク・メイガス

1974年3月30日、カーネギー・ホールのライブ録音。タイトルの「ダークメイガス」とはゾロアスター教の魔術師のことで、本アルバムは当初、日本でのみ発売だった。 ■パーソネル Miles Davis (tp, org) Dave Liebman (ss, ts, fl) Azar Lawrence (ts) Pete Cos…

近藤等則とIMA

80年代後半から90年代中盤にかけて、世界をフィールドに活躍していた日本のバンドがあった。トランペッターの故・近藤等則を中心にしたIMAだ。ヨーロッパやアメリカへ何度もツアーに出かけ、数多くのフェスに出演を果たした。 近藤等則が最初に出会ったのは…

ドイツの破壊神、ペーター・ブロッツマン。

ペーター・ブロッツマン(Peter Brötzmann)は、1941年生まれのドイツ人で、フリー・ジャズのサックス、クラリネット奏者。 1960年代にフルクサスと呼ばれる前衛芸術運動に関わった後、現在に至るまでフリー・ジャズの演奏活動を展開している。 彼こそ真の意…

知る人ぞ知る、ピーター・インド。

ジャズベースのピーター・インドをご存知でしょうか? 1928年イギリス生まれ。1950年初頭に渡米し、レニー・トリスターノらに学び、録音技師としても活躍した。本盤は、ピーター・インドの自主レーベル、Waveの記念すべき第1弾アルバム「Looking Out」(Wave …

ジャズギターの天才、パット・マルティーノ

ギターの新たな地平を切り拓き、その可能性を押し広げた天才、パット・マルティーノ。強烈なピッキングと息もつかせぬロング・フレーズで聴く者を興奮の渦に巻き込んできた。2021年11月1日に逝去。享年77。 ●EXIT 1976録音の代表作にして屈指の名盤。超絶ギ…